昨今、藻といえばタンパク質等の栄養面や燃料利用に注目が集まりがちだが、藻の持つ色素も同様に重要な特性だ。昨今、藻といえばタンパク質等の栄養面や燃料利用に注目が集まりがちだが、藻の持つ色素も同様に重要な特性だ。
1.クリミア半島の赤く染まる海(ウクライナ)
まず紹介したいのは、ジブリ作品「風の谷のナウシカ」に登場する「腐海」のモデルとなった、ウクライナのアゾフ海の西岸に広がる干潟だ。これは、微細藻類ドナリエラ(Dunaliella)が増殖することによって、海が赤く染まって見えるのだそうだ。
2.ナクル湖のフラミンゴ (ケニア)
Kenya Connection: Lake Nakuru, Flamingos, A New Friend – TravelUpdate
Shadrack and I made an instant Kenya connection after I brazenly asked if I could join this local guide and his colleague in their Abercrombie and Kent Jeep back to Nairobi from the Maasai Mara. In other words, I hitchhiked in East Africa, something I hadn’t done but maybe once before and under far less exotic circumstances.
アフリカ東部のケニアにあるナクル湖は、百万羽を超えるコフラミンゴ(Lesser Flamingo)の飛来地として古くから有名であり、1968年にケニアで最初の国立公園に指定された。その後、1990年にはラムサール条約湿地に登録され、自然保護の観点からも重要な地域となっている。このナクル湖を含むリフトバレー州にはpH9~10程度の湖が点在し、アルカリ性の高塩分濃度という特殊な水環境に適応できる藻類としてスピルリナが繁殖している。そして、カロテノイドを含むスピルリナを餌として摂取し続けることで、この地のコフラミンゴの羽は鮮やかなピンク色に輝いている。
3.イエローストーン国立公園の熱水泉(アメリカ)
高温で生育する「温泉藻」の可能性
今年ももうすぐ夏が終わろうとしている。例年よりも雨の日が多い一方で、晴れの日には35℃以上の「猛暑日」になるまで気温が上がり、屋外で快適に過ごすことが難しかった夏であったように思える。 今回は、そんな猛暑日をはるかに超える高温の中でも生育する生物について紹介したい。 米イエローストーン国立公園の熱水泉(Grand Prismatic …
この記事をmodia.chitose-bio.comで読む >4.渦鞭毛藻による幻想的なイルミネーション(豪州、米国、日本など)
南オーストラリアの夜光虫
南オーストラリアのポートリンカーンの近くのTulka beachで、暗闇に光る藻が発生している。
次に紹介したいのが、色素ではなく渦鞭毛藻の発光特性が生み出す幻想風景だ。これも以前藻ディアで取り上げた景観であるが、夜光虫が海面に広がることで幻想的な景色が生まれる。この光景は、24時間という概日性リズム*を持ち、夜のみ発光できる特性を持つ渦鞭毛藻が、波という外的な刺激によって夜間にスカイブルーの発光をすることで見られる。5.レンソイス・マラニャンセス国立公園(ブラジル)
Flying Photographers And Watery Deserts
In addition to featuring research expeditions and remote, indigenous cultures, National Geographic also often devotes its pages to simply stunning landscapes. Granted, Lencois Maranhenses National Park is something of a geographic anomaly and worth a feature story; it’s basically a watery desert in Brazil. But it’s George Steinmetz’s photography in this story that is most remarkable.
この記事をnpr.orgで読む >6.ブラックロック砂漠にそびえ立つ噴泉塔(アメリカ)
Fly Geyser: One of Nevada’s Little Surprises
A few years ago, a photographer friend showed me some pictures he’d taken of a place he called Fly Geyser. He said it was an amazing site that was located about two hours north of Reno on the edge of the Black Rock Desert.
この記事をvisitrenotahoe.comで読む >温泉のミネラル質が空気に触れて堆積されて現在の3m超の高さになったのだという。そこに藻が付着したことで、岩が赤や緑色と幻想的な色彩を持つこととなった。残念ながら、私有地内にあるために近寄ることはできないが、脇を走る州道からこの景色を確認することができるそうだ。
7.奥地に流れる世界一美しい虹色の川 (コロンビア)
Caño Cristales
A unique biological wonder, Caño Cristales has been referred as the “river of five colors,” “the river that ran away from paradise,” and “the most beautiful river in the world.” For most of the year, Caño Cristales is indistinguishable from any other river: a bed of rocks covered in dull green mosses are visible below a cool, clear current.
この記事をatlasobscura.comで読む >キャノ・クリスタレスはコロンビアの奥地にある自然公園シエラ・デ・ラ・マカレナを流れる、世界一美しいと称される川だ。川の色が写真のように虹色に変化するのは、乾季と雨期が切り替わる9月から11月の間のほんの2~3週間に限られる。というのも、水位の低下に伴って水温が上昇する期間に、川床一面に広がる藻と苔が一気に成長することで、このような美しい虹色が現れるのだ。環境保護の観点からかつては公園は閉鎖されていたが、現在は開放されており、間近で観光することができるそうだ。
以上、世界に数多くある藻の作り出す幻想的な景観の中から7つを紹介した。
まだまだ藻の”色素”や渦鞭毛藻の”発光”が生み出した絶景は数多くあるので、もし今回の7つの景観に魅了されたなら、ぜひ他の絶景も探してみてはどうだろうか。