4月3日(水)、在日フランス大使館(La France au Japon)科学技術部の皆様をお招きし、ちとせKSPオフィスならびに藻類ラボの見学会を行いました。
在日フランス大使館 科学技術部は、日仏両国の研究者や研究機関のパートナーシップの推進を使命とし、日本とフランスの二国間の研究・技術協力を始動、または発展できるよう導くことを目指す組織です。今回、ちとせの藻類生産技術における現状課題を実際の現場で体感されたいというリクエストをいただき、見学会の開催に至りました。
在日フランス大使館科学技術部の皆様との集合写真
初めに、BioEngineer 林より、ちとせグループの概要ならびにMATSURIプロジェクトについて紹介しました。
プロジェクトの紹介では、「藻類の中でもなぜ微細藻類なのか?」「なぜMATSURIを立ち上げたのか?」という問いをひとつひとつ明らかにしました。MATSURIは、各業界がそれぞれ「代替原料としての微細藻類」を使うために研究開発するのでなく、得られた藻類バイオマスを余すことなく使うために国や業界を跨いだプロジェクトとして発足されており、MATSURIが「藻類基点の産業を構築するためのお祭り」であることに共感いただきました。
また、昨年フランスで登壇の機会をいただいたこと、仏企業のMATSURI参画が加速していること、さらにマレーシアサラワク州にある世界最大規模の屋外藻類生産設備(CHITOSE Carbon Capture Central(C4))へ、在マレーシアフランス大使館の皆様にお越しいただいていることなどを例に、フランスにおける微細藻類分野への関心についても意見交換をおこない、微細藻類が今後さらに注目を集める分野の一つとして期待されていることが伺えました。
用途開発エリアにて、微細藻類由来の素材やプロダクトを紹介しました
次に、Senior BioEngineer 松崎引率のもと、微細藻類の生産設備の見学会を実施しました。用途開発品の展示エリアにて、実際に微細藻類で作られたプロダクトをご覧いただき、微細藻類の素材としての多様な用途をご認識いただきました。生産エリアでは、最新のデジタル技術が搭載された微細藻類生産設備をご覧いただきました。実際に専門知識のあるバイオエンジニアが培養状態を把握するセンサを活用している様子や、高度な培養制御技術に驚かれている様子でした。
生産エリアでのディスカッションは藻類培養に関する専門用語が飛び交いました
見学会後は、微細藻類を原料とする食品をご試食いただきながら、フリーディスカッションをおこないました。微細藻類が人々の生活に当たり前のように溶け込む社会をつくるためには、国内に留まらず多くの賛同者の協力が必須です。今回貴重な機会をいただき、フランス大使館の皆様にMATSURIプロジェクトをご紹介できたことを嬉しく感じております。また、微細藻類事業のみならず、細胞事業、千年農業、AI技術などちとせグループの事業領域に広く関心をお持ちいただいております。今後も一層の連携を深めていければと考えております。