食品業界で使用が広がるスピルリナの幻想的な青色

 

世界中で若者を中心にInstagramに代表される写真をメインとしたSNSが広まる中、見た目が印象的な商品が多くの話題を集めている。特徴的な青色とピンク色によるパステルカラーもトレンドの一つだ。今回、スピルリナの色素を原料としたパステルカラーのドリンクがアメリカで話題となり、訴訟問題にまで発展しているので、その記事を紹介したい。

Brooklyn cafe claims Starbucks stole their 'unicorn' drink

 

米コーヒーチェーンのスターバックスが、アメリカ・カナダ・メキシコの3ヶ国で今年の4月19日から23日までの5日間限定で発売していた「ユニコーンフラペチーノ」は、インパクトの強いカラフルな見た目であることから若者を中心に大きな話題となった。

しかし、同様のパステルカラーのドリンクが、昨年既にブルックリンにあるカフェThe Endで販売されていたため、スターバックスは商標権侵害で訴えられ、1,000万ドルの損害賠償を請求されている。

The Endの「ユニコーンラテ」は2016年12月から販売されている。人気の秘密である美しく幻想的な青色は、ブルーマジックというスピルリナエキスによるものだ。このユニコーンラテは瞬く間にお店の看板メニューとなり、The Endのオーナーは今年1月に商品名の商標登録を申請していた。

商品の中身は、The Endの「ユニコーンラテ」がカシューナッツ、ショウガ、ナツメヤシなどをすり潰し、先述のブルーマジックを加えたものであるのに対し、スターバックスの「ユニコーンフラペチーノ」は牛乳やマンゴーシロップ、ブルーシロップ等で作られており、原材料と味は両者で異なる。ただ、商品名の類似に加え、ピンクとブルーを使用した特徴的な色合いも共通している。

スターバックスの「ユニコーンフラペチーノ」は5日間の期間限定販売であったが、先にパステルカラーのドリンクを販売していたThe Endがスターバックスの商品を模倣したように顧客に誤解されるケースもあったと、今回の訴訟にあたってThe Endのオーナーは主張した。

一方、スターバックス側はその訴えに対し、「当社の商品は、パステルカラーをテーマにした多くの食品やソーシャルメディアでのトレンドに影響されている」と語っている。

藻の持つ色素は近年様々な業界で注目され、商品化されているが、特にスピルリナの幻想的な青色は、食品業界において大きなインパクトを与え始めている。

欧米では数年前から食品に天然色素を用いる動きが加速し、スピルリナの青色色素の需要が急増しているが、日本においても、スピルリナ生産最大手DIC(株)が青色色素「リナブルー」の一般販売を開始し、SNSでは当商品がジュースや食品に用いられている様子をみてとることができる。また同社は、今後の更なる需要の拡大を視野に、生産設備への投資を進めており、来年にはアメリカにて新設備を稼働させる予定である。

今後、スピルリナを始めとする藻の持つ鮮やかな色が、食品業界にどのように浸透していくか、引き続き注目していきたい。


参考資料:
Watch Chelsea White Introducing Unicorn Latte Made Of Blue-Green Algae
http://news.algaeworld.org/2017/08/watch-chelsea-white-introducing-unicorn-latte-made-of-blue-green-algae/

Starbucks Sued Over Unicorn Frappuccino
http://people.com/food/starbucks-unicorn-frappuccino-lawsuit/

Starbucks Sued for Ripping Off Unicorn Frappuccino from Brooklyn Coffee Shop
http://www.tmz.com/2017/05/04/starbucks-sued-unicorn-frappuccino-unicorn-latte-brooklyn/

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