夢物語だと嗤うか、祭を楽しむか

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オーナー

2024年2月20日、ちとせグループは、東京大学伊藤国際学術研究センターにて、プロジェクト発足以来初めての一般向け業界研究イベント「"MATSURI"オープン・デー in 東京大学」を開催し、会場の収容人数を大きく上回る109名の社会人や学生の方々にご参加いただきました。

第一部、第二部と分けられたプログラムの中で、第一部では、ちとせグループ代表の藤田朋宏と、株式会社資生堂ブランド価値開発研究所R&Dサステナビリティ&コミュニケーション部循環型原料開発特任プロジェクトリーダー の小口希氏が登壇いたしました。

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"MATSURI"オープン・デー in 東京大学とは?

  • MATSURI発足以来初の一般向け業界研究イベントです。

  • 主に学生の皆様にMATSURIのことを知っていただきたく、場所は東京大学の構内で行いました。

  • 石油資源の社会からバイオの社会へ。バイオの時代到来に向けて、ちとせグループ代表の藤田と株式会社資生堂の小口氏が講演を行いました。

  • 株式会社資生堂のほか、ENEOS株式会社、日本ガイシ株式会社、花王株式会社、株式会社三井住友銀行の皆様にもピッチ、企業ブースという形でご参加いただきました。

  • 世界の諸問題を解決することを夢物語と思うか。実は解決策はあるのです。

  • MATSURIパートナー企業は、それぞれ広くいろいろな事業、取り組みを行っています。参加者の皆様には、各企業を業種という括りで見るのではなく、取り組んでいる内容から企業の理念や方針を知っていただくきっかけとなりました。

\ こうして「藻のチカラ」で暮らしがもっと豊かに/

こうして「藻のチカラ」で
暮らしがもっと豊かに

メンバー

  • ちとせグループ

    藤田 朋宏

  • 株式会社資生堂

    小口 希 氏

パートナー

  • 株式会社ちとせ研究所

  • ENEOS株式会社

  • 株式会社資生堂

  • 日本ガイシ株式会社

  • 花王株式会社

  • 株式会社三井住友銀行

メンバー

  • ちとせグループ

    藤田 朋宏

  • 株式会社資生堂

    小口 希 氏

パートナー

  • 株式会社ちとせ研究所

  • ENEOS株式会社

  • 株式会社資生堂

  • 日本ガイシ株式会社

  • 花王株式会社

  • 株式会社三井住友銀行

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講演①「世界を牽引するユニコーン企業の正体 ~企業群を束ねるトップが語る本音~」

藤田朋宏(ちとせグループ代表/ Ph.D.)

藤田
藤田

ちとせグループ代表の藤田です。 「バイオ基点の社会作りに貢献したい」「個人の意思を表現できるような社会にしたい」という想いで2009年頃から、ちとせ研究所という会社を始めました。ちとせグループのミッションは、生き物の力を借りて、化石資源の社会からバイオの社会にする仕組み作りをすることです。その一つとして、様々な業界の方達と力を合わせて藻を基盤とした産業構築を目指すMATSURIというプロジェクトを立ち上げました。

藤田
藤田

現在、地球の陸地面積に対する農地の割合って11%しかないのですが、それ以外の90%は土壌劣化の進みなどもあり、農業をしようとしてもできない。 だったら、農業ができない土地で藻類を培養して、環境に対する諸問題を解決しながら産業を構築し、参加している人たち皆が幸せになるようにしましょう、と取り組んでいるのがMATSURIです。

ートウモロコシでできるなら藻類にもできる、夢物語ではない「藻類産業」づくり

藤田
藤田

もし世界のトウモロコシ畑と同じ面積の藻類畑を作ることができると、世界の人が必要とするタンパク質の40倍、カロリーは2.2倍、使っている油の50%が賄えて、日本のCO₂排出量の約5倍を吸収できます。これを全部同時に満たすことができるのです。 農業ができないところに藻類畑を作って、農地で育ったものも食べるし、藻類で必要なエネルギーを補うこともできる。 今、地球上には約2億ヘクタール(以下ha)のトウモロコシ畑があり、これはサウジアラビアと同じ面積なのですが、その規模の藻類畑ができたら、今、諸問題と言われていることの多くは、実は解決可能なのです。 トウモロコシでできているのであれば、藻類もできるでしょうと思っています。

藤田
藤田

そのために、2050年までにトウモロコシ畑の20分の1の1,000万 haの藻類畑を作ることを目指しています。そうすると、600億円の経済規模で、1年に14億トンのCO₂を吸収できるようになります。その1,000万 haに向けて、まずは2030年までに2,000 haの拡大を目標としています。この2,000 haというのは商用の最低規模です。これより規模が小さいと、使うCO₂の方が多くなるし、経済的にも環境的にも成立しません。 我々は、2006年頃に室内でフラスコを使って藻の培養を試行錯誤していたところから、2018年にマレーシアにて屋外での培養に成功し、昨年2023年には5 haの藻類畑を完成させました。これでもまだ使っているエネルギーの方が大きいので商用設備ではなく研究設備ですが、Google Mapにのるくらいの規模になりました。そして、去年、国のサポートが決まり、今5 haの藻類畑の近くに100 haの藻類畑を作っています。

ー個社が個別の研究開発をするのではなく、みんなでやって「産業」にする

藤田
藤田

MATSURIでは、「産業祭」と「正直祭」を掲げています。 まず「産業祭」についてですが、事業ではなく産業を構築するためには、個社が個別の研究開発をするのではなく、皆で大きく培養して、皆で使い切る必要があります。 作った藻から、抽出したバイオマスを航空燃料に使ったり、食べ物や素材に使うことができます。そこで、研究開発をしながら、我々も石鹸を作ってみたりしたのですが、消費者にとって本当に良い石鹸を作るためには、花王さんに作ってもらった方がいいということに気付きました。産業にするために、全て余すことなく使う必要があるので、化粧品なら資生堂、燃料なら ENEOS・・・と、各業界のリーディングカンパニーに参加していただいています。また、大学の研究施設などにも加わっていただいたりと、産業としてすごい金額になるので金融関係でも専用の部署を作っていただいたりと、業界を超えて協業していただいています。それぞれの企業がそれぞれの持ち場で儲かることが産業だと思うので、その状態を目指しています。

藤田
藤田

このように多くの企業や公的機関、研究機関に参加していただく中で、連携して協力する部分(オープン)と、個社の技術開発(クローズド、セミクローズド)の交通整理も行うようにしています。 これは、今まで藻類産業の技術組合や社団法人に参加した際、オープンプラットフォームで話し合おうと言いながら、研究者達は自分の会社の情報をオープンにする権限がなく、なかなか議論が進まないのを目にしてきていたためです。そうならないように腹を括ってやっています。

ー正直な情報を発信する「正直祭」

藤田
藤田

グリーンウォッシュが溢れる世の中で、「正直祭」では、具体的な数値や目標を公表し、技術的な課題等も率直に報告するお約束をしています。 例えば、実際環境負荷をどれくらい削減できるのかや、原料に藻がどれくらい含まれているのかなども正直に公表します。 「科学的事実を重視しながら、資本主義も重視していく」というのが、MATSURIとパートナー企業の皆さんが目指しているところです。

ー投資は10年20年先を見極めて。就職は人生最大の投資

藤田
藤田

ビジネスの世界では、今、安い方を選択してしまいがちですが、投資は10年20年先にどうなっているか、を見極めねばなりません。これが投資の概念です。学生の皆さんにとって、就職は自分の10年20年の時間に対する「人生最大の投資」であるため、投資先はしっかり見極めて検討していただきたいと思っています。 環境について学ぶ学生の方々には、グリーンウォッシュをしている企業なのか、それとも本当に循環型の世の中を作ろうとしている企業なのか、というところも見極めながら、投資先を検討していただきたいと思っています。

講演②「循環型社会へ ~私たちの挑戦~」

小口希 氏(株式会社資生堂 ブランド価値開発研究所 R&Dサステナビリティ&コミュニケーション部 循環型原料開発特任プロジェクトリーダー/Ph.D.)

小口氏
小口氏

株式会社資生堂(以下 資生堂)の小口です。ブランド価値開発研究所 R&Dサステナビリティ&コミュニケーション部にて、循環型原料開発特任プロジェクトリーダーをしています。1999年に資生堂に入社して以来、20年以上、原料を作り続けています。

小口氏
小口氏

化粧品会社というと、キラキラしたものを作っている華やかなイメージがあるかと思いますが、私の業務で日々向き合っているのは油や粉のような素朴な原料なのです。 例えば、資生堂では、膜の技術でたるんだ印象を目立たなくするセカンドスキンという化粧品や、紫外線を防ぎながら、降り注ぐ紫外線を違う波長の光(美肌光)に変換するサンデュアルケアという技術がありますが、それらを支えているのは原料です。このように原料の開発力は化粧品を大きく支えています。

ー資生堂が取り組んでいるサステナビリティの実現

小口氏
小口氏

サステナビリティには、明確な定義が整わない中で、各社が考えや方針を持つことが重要ですがアイディアややり方次第で色々できる面白い領域だと思っています。 資生堂では、サステナビリティへの取り組みとして次のようなことに着手しています。 無秩序な森林破壊から採取された原料は使用せず、しっかり管理されたパーム畑からの調達を2026年までに徹底。 化粧品のプラスチック容器は、2025年(来年)までに100%サステナブルなものに。 同業他社と組み使用済みのプラスチック製容器を新たな容器へ再生させることを目指す「BeauRing(ビューリング)」というプロジェクトなどが挙げられます。

ーR&D(研究開発)部門としての挑戦、地球への貢献度に対する疑問

小口氏
小口氏

資生堂も世の中も大きく動き出している中、サステナビリティの実現に向けてR&D部門でも色々な挑戦をしてきました。 例えば、原料開発室のメンバーで、古くから多くの薬草が育つ伊吹山という山まで行って自然保護活動をしたり、植物由来のバイオマスを発酵させた繊維をマスカラ原料に取り入れたりと、サステナブルな原料開発を実現するための活動をしてきました。

小口氏
小口氏

これらの活動は私たちが第一歩として行うことができる環境に貢献するアクションであることは確かです。しかし、地球規模で考えたときに果たしてどれくらいの規模で環境に貢献しているのだろうか、もっと大きな地球規模で貢献していることが実感できるくらいの原料開発ができないだろうかと、メンバーが足を動かして、これまで情報を集めてきました。 そして、大きな地球規模で環境をよくすることができる技術、貢献できる取り組みを探して世界中を見た結果、行き着いたのが、ちとせグループです。

ーちとせグループと出会い、MATSURIを見つけ、これが使命だと感じた

小口氏
小口氏

ちとせグループに出会えた時に私たちが感じたことは、化粧品を使っていただく皆さんに綺麗になっていただくことができて、同時にCO2も減らせることができたなら、大きな夢に対して、一足飛びにはいかないにしても、大きな一歩になるのではないかという確信です。 どこか一社が得をしたりリスクを負ったりするのではなく、世界中の化粧品会社に資生堂が開発した原料を、地球の為になるという確信と共に使っていただけるようになることを目指しています。

小口氏
小口氏

MATSURIへの参画を決めたのは、より大きな環境貢献に繋がると思ったからです。 2022年の3月にMATSURIという取り組みを知ってから、これは私たちの使命だという気持ちで勉強会に参加したり、どこよりも早く資生堂が飛び込んでスタートを切ろうと、現岡部義昭副社長に同行いただきマレーシアにあるちとせグループの藻類生産施設C4の開所式に参加したりもしました。 そして、現場を見て、時代の変わり目を見て、社内の理解も深まっていきました。より大きな規模での環境貢献に資生堂が先陣を切ってチャレンジしていこうということで10億円の投資をさせていただき、今に至っております。

ー誰かがやらねばならないなら、資生堂が最初の一歩を踏み出す

小口氏
小口氏

チャレンジは始まったばかりです。 藻類を化粧品原料に仕上げるまでには、技術的側面から超えなければいけないチャンレンジがたくさんあります。 化粧品は品質が一定であることが求められますので、原料の品質が不安定なことは許されませんし、肌に使っていただくものなので、安全性ももちろん十分に担保されなければなりません。そのような技術的なチャレンジは、ちとせグループや、他のMATSURIパートナーの皆様と一緒に越えていけるのではないかと思っています。一方で、ビジネス的なチャレンジもあります。 化粧品原料の使用量は、ジェット燃料よりもかなり小規模で、年間使用量が少ないですし、求める品質や、求められる基準が特殊で、単価も高くなることが多いです。それらのビジネス的な面でも化粧品原料を開発するチャレンジにはハードルが高く存在します。しかし、使い始めは厳しい購買条件であっても誰かが使い始めなければ、世の中にサステナビリティを実現できる原料は普及していきません。そうであれば、第一歩は資生堂がやりましょう、という思いで今取り組んでいます。

出展企業からのメッセージ

ENEOS株式会社
ENEOS株式会社

ENEOSは、「今日のあたり前」を支え、脱炭素・循環型社会という「明日のあたり前」を実現するため、多様な人、技術、アイディアを結集し、皆さんと共に明日の常識を創り出していきます。

株式会社資生堂
株式会社資生堂

資生堂は、地球にも人にも優しい化粧品の開発に取り組み、グローバルな化粧品市場を先進的なサステナビリティの活動を通じてリードします。テクノロジーと想像力を融合させ、革新的な美を共に生み出しましょう。

日本ガイシ株式会社
日本ガイシ株式会社

日本ガイシは、藻類を活用したサステナブルな社会づくりと新しい価値の創造に取り組み、独自のセラミック技術を活かして産業構築に貢献します。MATSURIを通じて新製品・新規事業の創出に取り組みます。

花王株式会社
花王株式会社

花王は、石鹸や洗剤の原料をパーム油から藻類に変え、社会問題や環境問題の解決に向けた取り組みを行います。MATSURIに参画し、研究の仲間を集めています。

株式会社三井住友銀行
株式会社三井住友銀行

SMBCは、社会課題の解決を通じて持続可能な社会の実現を目指していくため、MATSURIによる新産業構築にも賛同しました。皆さんが想定している以上に幅広い業務を担い、社会的価値の創造に取り組んでいます。銀行の可能性や奥深さを知っていただきたいです。

参加者の声

東京農業大学 農学部 動物科学科 修士1年
東京農業大学 農学部 動物科学科 修士1年

事業ではなく産業を作るという視点が面白いし新しいと思いました。企業同士の横のつながりを感じられて面白かったです。

東京大学 新領域創世科学研究科 最先端生命科学専攻 修士2年
東京大学 新領域創世科学研究科 最先端生命科学専攻 修士2年

金融関係など、一見MATSURIとは関係ないように見える会社でも、経済合理性という観点から考えると重要なプレイヤーだと感じました。経済合理性を意識するからこそ自分の研究が世の中の役に立っていくと思うのでその点をきちんと考えていきたいと思いました。

宇都宮大学大学院 地域創生科学研究科 工農総合科学専攻 農芸化学プログラム 修士1年
宇都宮大学大学院 地域創生科学研究科 工農総合科学専攻 農芸化学プログラム 修士1年

目当ての企業があり参加したのですが、出展されていた他の企業のことだけでなく、最先端の研究や取り組みについて知ることが出来たので、自分の考えを深める貴重な経験になりました。

東京都立大学 理学部 生命科学科 3年
東京都立大学 理学部 生命科学科 3年

新しいことをするのに最初は労力がたくさんかかるけど、誰かが始めなければ始まらない、新しく何かを始める時の一員になるのは楽しいだろうなと思いました。


MATSURIでは、今後も一般の皆様に広くご参加いただけるようなイベントを開催してまいります。

引き続き、応援よろしくお願いいたします。

 

◾️イベント概要

イベント名:”MATSURI”オープン・デー in 東京大学

日時:2024年2月20日(火)14:00~17:00

会場:東京大学伊藤国際学術研究センター 地下2階 多目的ホール

プログラム:

  ■第1部 講演

  ・講演①「世界を牽引するユニコーン企業の正体 ~企業群を束ねるトップが語る本音~」

   藤田朋宏

   (ちとせグループ代表/ Ph.D.)

  ・講演②「循環型社会へ ~私たちの挑戦~」

   小口希 氏

   (株式会社資生堂 ブランド価値開発研究所 R&Dサステナビリティ&コミュニケーション部

   循環型原料開発特任プロジェクトリーダー/Ph.D.)

  ・出展企業紹介

 ■第2部 企業ブース交流

対象:大学生・大学院生、社会人

出展企業:

ちとせグループ/ENEOS株式会社/株式会社資生堂/日本ガイシ株式会社/花王株式会社/株式会社三井住友銀行

参加人数:109名

 

 

 

 

 

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